ひばり
作詞:やなせたかし 作曲:木下牧子
木下牧子作曲の歌曲集『愛する歌』は、やなせたかしの詩集『愛する歌』に曲をつけた歌曲集です。『愛する歌』はやなせたかしが手掛けた初めての詩集で、子どもにもわかる平易な言葉で書かれています。「てのひらを太陽に」などの詩45編が収録され、子供から大人までが共感できるような、悲しみや温かさ、優しさが込められています。
このやなせたかしの世界観を見事に再現した木下牧子の同名の歌曲集は、男声合唱をはじめ、さまざまな編成で演奏され、合唱界でも愛されてる代表曲です。
今回取り上げた「ひばり」は歌曲集『愛する歌』の第一曲です。日本語の文節に寄り添った旋律が、歌詞の世界観をそのまま表現しており、まさに話すように歌うことができる、美しい旋律で書かれています。詩を語るように歌うことが詞の表現と音楽の表現にそのまま繋がるので、日本語の美しさを大切に歌うことがポイントです。声を張りすぎたり、息を吐きすぎたりすると、日本語の美しさが捉えにくくなります。息の流れの中で子音を綺麗に立てながら、響きの良い母音で歌うことが大切です。詩だけ朗読するのも大切なプロセスです。朗読、歌唱、朗読、歌唱と繰り返しながら、詩と音楽の結びつきを体感してみてください。
声楽講師 柴田尚子






