講師演奏
PlayPlay
previous arrow
next arrow
 

Sebben crudele たとえつれなくとも – カルダーラ | 声楽レッスン | 柴田尚子

たとえつれなくとも (Sebben crudele)

作詩:ルキーニ
作曲:アントニオ・カルダーラ

全音楽譜出版社の「イタリア歌曲集第1巻」に収められている曲で
無理がなく歌いやすい音域と、シンプルでありながらも滑らかで美しい旋律が印象的な楽曲です。
諸説ありますが、A.カルダーラ作曲の牧歌劇「愛の誠は偽りに打ち勝つ」の中のカンツォネッタです。

音域も広すぎず、親しみやすいメロディーでありながら、イタリア古典歌曲らしい装飾も織り込まれており、A-B-A形式で作曲されているため、表現の変化も取り入れやすく、歌いごたえのある楽曲であると言えます。
そのため、声楽を始めて割と早い段階でも取り組みやすく、私のレッスンでも勉強を始めて1,2曲目に取り上げている曲です。
音大入試の課題曲にも多々登場しており
まさに、声楽の登竜門!な一曲です。

あなたがつれなく その冷たさで
たとえ私の心が窶れてしまっても
私はいつも誠実に
あなたを愛していたい

私のあなたを末永く想う気持ちが
いつかあなたの冷たい心を溶かすだろう

(対訳 柴田尚子)

…といった、恋愛観を綴ったものですが、愛の喜びではなく、恋愛の苦悩を歌っているところが なんともイタリアらしい詩の内容です。

また楽曲も
短調~長調〜短調へと並行調転調を繰り返すことで
曲の印象が暗くなったり明るくなったりして、大変表情豊かです。

愛することへの苦しさと幸福感が不安定に入り乱れていて、恋愛において様々な感情が渦巻くことを見事に表現している!と私は思います。

イタリア語の歌詞は以下の内容です。

Sebben crudele,
mi fai languir
semple fedele
ti voglio amar.

Con la lunghezza
del mio servir
la tua fierezza
saprò stancar.

A母音とRで韻を踏んだ歌詞は、耳なじみ、口なじみが大変よく暗譜もスムーズにできると思います。
また、歌いだしはE母音で進行するため、声の響きも安定して捉えることができ、息の流れを意識しやすく、支えにも集中して歌うことができると思います。

また
イタリア語歌唱で習得しておきたいRの巻き舌の発音も頻繁に登場します。
巻き舌(実際には舌はそんなに巻きこみませんが…)が苦手な方には、ぜひ!この息が流れやすい旋律に乗せてR発音を練習して頂きたいと思います。
Rの音は舌の力を抜いて、舌先に息を吹き付けることで出る発音なので
この曲を滑らかで柔らかくレガートで歌うことにより、美しいまろやかなRの発音を習得して頂けたらと思います。

声楽を学ぶ上で非常に重要なレガートの歌唱法
イタリア語の歌唱発音の基礎
さらにはイタリアオペラらしい!切ない恋愛感情まで
オペラアリアを目指すうえで避けては通れない大切なエッセンスがぎゅっと詰まった“Sebben,crudele”

声楽を学ぶ方なら、ぜひとも必ずや歌って頂きたい、
私の中で一番の推しイタリア歌曲です。

声楽講師 柴田尚子

タイトルとURLをコピーしました
プライバシーポリシー